エンジニアリング組織論への招待を読んで
職場の先輩に進められ、下記本を読みました。 良本だったのと自分の備忘のためにも投稿します。
1.書籍の紹介
mixi一期生の広木さんが書いた書籍。現在は「株式会社レクター取締役」。
エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
- 作者: 広木大地
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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※Qitaにも著者の紹介議事があったので掲載 qiita.com
2.読もうと思った理由
- 前述の通り先輩の紹介
- 基幹システム刷新の企画フェーズに参画していたのだが、中々うまくいかず。。 そんな中で割と共感できそうな部分が多かった。
3. 書籍の要約
Chapter 1 思考のリファクタリング
- 思考の違いによる不確実性(エントロピー)から発生する様々な事象(プロジェクト初期の不確実性やコミュニケーションコスト、認知の歪み、ベーコンの4つのイドラ、情報の非対称性)を紹介。
→エンジニアリングとは以下のエントロピーを下げることと定義 ・不確実性(エントロピー) 未来:環境不確実性 方法不確実性 目的不確実性 他人:通信不確実性(環境不確実性を増大させる) - 論理的思考を、1.演繹的思考、2.帰納的思考、3. 仮説思考、と紹介。
- ロジックツリーとシステム思考→つまりシステムとは全体から捉えらこと(全体論的思考)
- 問題解決より問題発見のほうが難しい →全体の問題性を整理すれば問題は解決すると紹介
Chapter 2 メンタリングの技術 * 傾聴・可視化・リフレーミング * アクノレッジメントの段階 1.存在承認 2.行動承認 3.結果承認
Chapter 3 アジャイルなチームの原理 * プロジェクトマネージとプロダクトマネージャーの関心事の違い プロジェクトマネージャー:コストと納期、プロジェクト期間、方法論、 プロダクトマネージャー:プロダクトの目的、マーケット * アジャイルソフトウェア宣言の重要性 個人と対話 動くソフトウェア 顧客との協調 変化への対応
Chapter 4 学習するチームと不確実性マネジメント * エージェンシースラック:依頼された人は管理されないとウソをつきだす。 →見積もりやスプリント * リーンキャンバスによる仮説の作り方
Chapter 5 技術組織の力学とアーキテクチャ * 権限と責任の委譲、デリゲーションポーカー、 →技術負債とコンウェイの法則
4. 所感
個人的には前半の思考のリファクタリングが響いた。プロジェクトだけでなく一般生活でもあるある。 * 人は立場や目的が異なる中それぞれ意見するのでよく衝突するが、システム思考で全体を捉えて、情報を整理すると問題が解決する、 * 仮説思考からの論理展開、論理的思考の盲点:人は正しく事実を認知できないなど イドラ:種族・洞窟・市場・劇場 認知の歪み:ゼロイチ思考、一般化のしすぎ、すべき思考(大学生だから就職しないと。。)、レッテル貼り、結論の飛躍、感情の理由付け などなど
あとはアジャイルもちょうどしてたので響く。
思考を整理するための知識としてとても面白い本でした。How to本というよりも読み物という印象でした。